乳がん

乳がんは、女性の「がん」の中で発生率が第一位です

欧米では女性の8人に1人。日本でも女性18人に1人に乳がんが発生しており、増加傾向です。(男性も乳がんになりえますが、極めてまれです)

また、40-50歳代と若い女性に多いことも特徴です。

「乳がん」は決して予後が悪い「がん」ではありませんが、緩やかな増殖するために他のがんに比べて、治療後遅い時期に再発することがあります。

 

乳がんになりやすい人は

 血縁者で乳がんの方がいる

 出産経験がないか、少ない

 月経の始まりが早かった

 肥満気味         であり、

早期発見のためには

自己検診(自分で月に1回触る)

乳がん検診(マンモグラフィー)などが大切です。

  40歳以上の女性は、2年に1回の乳がん検診を継続することが重要です。

 

10年くらい前までは、「乳がんでは、なるべく大きく乳房をとって、手術で根治させよう」という考え方主流でした。しかし、最近は「できるだけ切除する範囲は小さくして、再発を抑えるために放射線や化学療法(抗がん剤、ホルモン療法)を行う」という考え方が主流になっています。

 

実際に、大きく乳房を切っても(胸筋切除)と小さく切って乳房温存しても命への影響は変わらないことが分かっています。

 

乳房は体の表面にあるために、針を刺して細胞をとってくることで、「乳がん」の診断がついたり、「乳がん細胞」の顔つきや性質が分かることがあります。

そのため、手術の前に抗がん剤で小さくして、切除範囲を小さくする方法もあります。

 

乳房温存手術は、術後の放射線治療(1か月程度)がセットとなることが多いです。

 

手術で、①再発の危険性が比較的高い場合、②がん細胞が薬に弱い場合、には術後に化学療法(ホルモン剤、ハーセプチン、抗がん剤)が行われます。

 

ハーセプチンは1年間、ホルモン剤は5年間行われます。

 

手術でリンパ節を切除した場合などは、術後に切除した側の腕が浮腫を起こしたり、しびれがでることがあります。切除した方の手は、なるべく愛護的に保護するようにしてください。

 

再発する人のうち9割は5年以内に見つかりますが、増殖が遅い乳がんでは定期検査を10年間程度続けられています。