海外留学を志す、ポスドクの方を対象に書いています。
特に、私が医師ですので、海外留学助成金(奨学金)の一部は、医師限定になっています。
私自身は、留学をする時点で35歳。
留学を志す人のなかでは、研究業績は、かなり低いほうだったと思います
(1st (IF 3-4) x2, 2nd x0, co-authorは大学にいたので20編くらいはありました)
(ちなみに、何かの情報で読みましたが、選考にあたってはIF 10点が1編より、IF1が10編の方が評価が高いようです)
私自身は実績が低いので、助成金がもらえる可能性は少ないと考え、とにかく応募条件に該当する物には全て応募しました。
結果、11個に応募し2個から内定をもらうことができました(重複不可だったため1つは辞退)
学内に私以外に留学助成金を狙っている人がいなかったことも有利に働きました
(学内で1応募の助成もあるため、東大や京大では学内選考を通り抜けるのが大変で、通り抜けさえすれば助成をもらえる可能性が高い)
自分が応募したもの(情報はH24年度の応募要項を参照にしています)
①住友生命社会福祉事業団
医師免許+医学博士(見込みも可)
留学は1年以上3年以内
39歳以下
150万円の助成
助成人数はH23年は13人
応募は年3回あります
(事務局への問い合わせによれば、3回目の応募は人数調整の可能性があるため、前2回の応募で辞退がある場合や助成金に余裕がある場合には、合格者数が増える可能性があるとのことでした)
ホームページはこちら
②上原記念生命科学財団
留学関係では
リサーチフェローシップ 80件(留学先から給金をもらっていても可)
ポストドクトラルフェローシップ 40件
があります。いずれも400万円以内。
留学前/中や既婚者などで支給額は変わります
学内選考があるため、各大学や学部から1名のみ
応募締め切りは9月です
詳細はホームページを参照
リサーチフェローの方が応募者のレベルが高く、合格率は低い
③かなえ医薬振興財団
医学薬学などの研究留学を助成
申請時35歳以下の研究者で留学予定または留学中
120万円 x 15件
7月末締め切り
詳細はホームページを参照
④安田記念医学財団
大学病院などで働く医師でがん研究を行うもの(留学中は不可)
助成は 150万円以内 x2件
各施設1名
書類の締め切りは7月中旬です
詳細はホームページを参照
⑤第一三共生命科学研究振興財団
博士号取得(または同等の研究能力)
医師以外は35歳以下、医師は37歳以下
海外留学経験のないもの(留学中は不可)
月額25万円を2年間(総額600万円)
応募は5月末まで
詳細はホームページ
⑥持田記念医学薬学振興財団
医学薬学およびこれに関連する科学分野
満45歳未満の研究者
1件50万円以下(総額1000万円で20人)
6月中旬までにメール申請
詳細はホームページ
⑦内藤記念科学振興財団
人類の健康増進に寄与する研究
博士号(見込み含む)
満34歳以下
助成 300万円 x 15件以内
H24年度は10月1日締め切り
詳細はホームページ
⑧アステラス病態代謝研究会
医学、薬学、生命科学研究
女性比率を引き上げる方針とのこと
年齢制限なし
200万円x10件程度
H24年度は6月15日に締め切り
詳細はホームページ
⑨臨床研究奨励基金
医学等の研究
主たる活動の施設が福岡県内
45歳以下が望ましい
1件x30万円
4週間以上1年未満の研修
受け入れ先からの給与不可(30万円の助成だけでは厳しい、、、)
詳細はホームページ
*福岡県の医師が対象です。他の自治体や大学でも同様の助成金があるところがあります
⑩日本学術振興会 海外特別研究員
採用年度の4月時点で34歳未満(6年大学+博士は36-7歳未満)
博士号(見込みも可)
助成は 往復航空運賃+380-520万円/年
採用率は20%程度
よっぽど優秀な人は面談免除ですが、そうでないけれども見込みのある人はプレゼンテーションに呼ばれます(残念ながら書類で落ちたので詳細は分かりません)
H24年度は5月14日締め切りです
ちなみに⑪は学術振興会の共同研究(頭脳循環、、、でした)
申し込まなかった助成金
①東洋紡百周年記念バイオテクノロジー研究財団
バイオテクノロジーに関連した研究
1年間の助成
39歳未満で初めての海外留学者
博士号(見込み)
大学職員
一番大きなネックは、「推薦者が財団理事または評議員」でした
ホームページはこちら
②ファイザーフェローシップ
感染症またはCOPDに関連した研究
150万円x2名
日本呼吸器財団に参加する学会の会員歴3年以上で賛助会員(別途2万円)
(日本呼吸器学会、肺癌学会、呼吸器外科など)
40歳未満
応募は各施設1名
詳細は呼吸器学会ホームページ
締め切り12月15日
③リリーオンコロジーフェローシッププログラム
対象:日本呼吸器学会の腫瘍学術部会の医師
26-40歳
1年間の研修(留学先が決定していること)
毎年2名x ?万円(書かれていません)
応募は1月末まで
詳細は、呼吸器学会ホームページ参照
(しかし、会員以外は詳細を見られない)
④万有生命科学振興国際交流財団
循環器領域
呼吸器アレルギー領域(腫瘍は除く)
疫学・生物統計学領域 があります
40歳未満で各学会所属
留学経験なし
呼吸器>300万円/年x3名(2年の助成可)
応募機関(H24年) 9月15日
詳細はホームページ参照
⑤日本心臓財団・バイエル薬品 海外留学助成
心臓病、脳卒中、高血圧、動脈硬化症などの循環器疾患
40歳未満の海外留学未経験者
H24年は11月30日まで応募
300万円 x 10件
詳細はホームページ
調べていたら、こんなホームページを見つけました。
Uminもこまめにチェックしていました
留学を希望するにあたって、応募先から給料が出ない、助成金がなければvisaがおりない、など悩みはつきません。
助成金がなくても受け入れてくれる研究室でも、日本からの助成があれば自信を持って留学先に行くことができます。
もちろん、日本人は金を持って行くからダメだ、と言うのも一理あると思います。しかし、それは一流の実績や実力のある研究者の話であって、日本人研究者の良さを分かってもらうためには、1年程度は時間がかかるのではないでしょうか
どの留学助成も門戸は狭いと思います。
しかし、1つ1つの採択率が1割であっても、10個応募すれば確率では採択される可能性は6割を越します。
宝くじで100万円以上当たる人は限られています。
研究者であるという理由だけで、100万円単位の金額が「個人」に当たる可能性があるのですから、大変でもひたすら応募しましょう!